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2008年7月11日

ピーク・オイルに関して考えたこと

デイヴィッド・ストローンの『地球最後のオイルショック』で紹介されている信頼できるデータを総合すると、石油の生産はおそらく2010年代の後半にピークを迎えることになる。現在の石油価格高騰の主因が投機マネーによるものだからといって、それを規制しようとしても、希少性が増す石油の価値は長期的には上がり続けるだろうし、そこにマネーが集まってくることも仕方のないことだ。各国の政策や国際的な取り決めに期待できるのは、その価格上昇をいかに緩やかにするか、ということのみで、僕たちは結局のところ、高価格に慣れ、さらに価格が高くなることを見越して生活スタイルの根本的な変革を徐々に行なっていくしかない。

ピークを迎えるのが明らかになってきたら、ピークアウトする以前に石油の生産量は減らされていくだろう。とすれば、悲観的に考えたら、数年後には石油の供給が需要に追いつかなくなる可能性もある。世界的な石油争奪戦になる。加えて、カトリーナのような自然災害によって精製施設が大規模に破壊されたりなどしたら、どうなるだろう。実際にカトリーナの時に石油供給がどう行なわれ、いかに世界が危険な状況に追い込まれたかが、この本でも描かれている。

エネルギーという観点に絞って考えると、これを解決するには、もちろん代替エネルギーへの依存度を上げることしかない(石油は工業製品の原材料でもあり、その問題も大きいが)。しかし、天然ガスや石炭にしても化石燃料だから有限であり、何かと物議をかもしているバイオ燃料は作るのに化石燃料を必要としているような状況で、風力や太陽光といってもエネルギー供給の大部分を担うには、とてつもない広大な敷地が必要となるだろう。

それでも、長期的には代替エネルギーの研究開発を進めていくしかないだろうが、中期的には、天然ガスや石炭を丁寧に使っていくこととともに、原子力発電に頼るしかない、というのが、ストローン氏の結論の一つだ。それで時間稼ぎをするしかないと。

これにどんなに否定的になろうと、現実にわが国の発電の3割が原子力によってまかなわれていることを考えたら、原子力抜きにすでに生活は成り立たなくなってしまっているのであり、その恩恵を受けて豊かな生活を享受できているのであるから、僕たちは反対できるような立場ではないだろう。今回のサミットで、あるテレビ報道が、原子力発電所建設が温暖化対策協議の「陰の主役」と揶揄していたが、原子力大国フランスの国益などの思惑はあるにせよ、その方向性で対処していくのは論理的に妥当ではないだろうか。

(続きはまた書きます)

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