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2008年1月15日

『腎臓病の話』

身近な人たちのなかで、透析をしたり腎移植をしたり腎不全で亡くなったりという例があるので、昔から腎臓には関心がある。

最近、椎貝達夫著『腎臓病の話』(岩波新書)を読了した。

血液透析にかかる費用が総医療費の約4%も占めていることを知って驚いた。著者は、安易な透析の選択ではなく、食事療法を中心にした腎不全保存療法を推進している。クレアチニンクリアランスの数値がかなり下がったりしても、保存療法をきめ細かくやっていけば、少なくとも数年間、人によっては一生涯透析をしなくていい人がいるという。患者本人のためにも、国の医療費のためにも、そのほうがいいではないかという主張をしている。

人口100万人あたりの透析患者数は日本が世界一。背景には、腎移植の割合が欧米と比べて極端に低いことがある。腎不全が進行して、かつ移植の可能性が低いとなれば、透析をしようという話になる。一方、腎不全保存療法は病院側と患者本人双方のかなりの根気と努力が必要となるし、一回ごとの診療に時間が掛かるという問題がある。著者は、透析患者を減らしていくためには、現実的な方法として、保存療法の診療報酬を上げて、これに取り組む医療機関を増やすしかない、という。

今や糖尿病性腎症から透析に入る人が、全体の透析導入数の半数近くを占める。糖尿病患者は増加する一方であるから、ますます合併症で腎臓を患う人も増えるだろう。これを考えると、入り口という観点からは、一般レベルで食生活の見直しをすることが、長い目で見たら腎不全に陥る人を減らし、ひいては医療費の抑制にもつながるのではないかと思う。

腎機能が落ちてくると、それを遅らせることぐらいしかできないだけに、感染症からは別として、少なくとも糖尿病から腎不全という道をたどらないような生活をしなくてはいけないと思う。

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『腎臓病の話』今や糖尿病性腎症から透析に入る人が、全体の透析導入数の半数近くを占める。糖尿病患者は増加する一方であるから、ますます合併症で腎臓を患う人も増えるだろう。これを考えると、入り口という観点からは、一般レベルで食生活の見直しをすることが、長い ........ [続きを読む]

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