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2007年5月15日

ひもはスルスルッと消えていった

とっぷりと日が暮れたなか近くの川沿いを歩いていると、途中でついにあいつに出合ってしまった。今年ももうそろそろだろうなと思ってはいたが。

あいつとは……、ヘビ。川から上がってきていたのだろう。足下もすでにはっきりと見えないぐらいだったが、次の一歩を踏み出そうと思ったその先に、黒っぽい曲がりくねったひものようなものが目に入ってきた。もしや? 危険を感じて宙に浮いていたその右脚をとっさに左側に向けたのと同時に、ひもはスルスルッと逆方向の川岸の草叢に消えていった。やっぱりそうだったのだ。

たった50cmほどの細いヘビだったが、ヘビはヘビ。見ただけで怖い。うん、ヒラクチだったのかな? だったらよけいに怖い。でも、より動物的に生きていた頃の人間は、そういうものと対峙し、または共存して生きていたのだ。自然を感じるとは、気持ちのよいことばかりではない。ときに切迫した身の危険を感じることでもある。ヘビなんかちっちゃな話に過ぎない。もっと心臓の拍動がバクバク聞こえるぐらいの自然の驚異と直面することは、「人間とは何か」をつかむためにきっと必要なのだろうと思う。僕らは、あまりにも自然とかけ離れた世界にいながら、それでいて世界を知っているかのような顔をして生きている勘違い野郎だ。みんなもっと身体感覚が必要なはずだ。

腰を横にねじったときに、ふだん使わない筋肉が動いたのか、右脇腹の奥がちょっとだけ痛んだ。それはたまにしかない、いかにも動物としての動きのせいだった。

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