« 中也をまた読んでみよう | トップページ | 「公」と「個」と »

2007年1月 3日

イギリス英語のほうが新しい

昨晩放映された『深夜の語学新年会』という番組での町田健先生の指摘にびっくりした。

英語は、やたらと舌を巻いて発音するアメリカの英語のほうが古くて、それをしないイギリスの英語のほうが進化している。つまり、アメリカでは今でもきちんと "r" の発音をしているが、イギリスではすでにそれが消えてしまっているのであって、その意味でイギリスのほうが言語としては新しいと。

これには、そこに参加していた人たちの大半も驚いていたのだが、フランス人のパトリス・ルロワさんが、ケベックのフランス語がアメリカ英語と似た状況にあるということを紹介した。フランス人はケベックのフランス語をバカにするけども、ケベックのほうが古き良きフランス語をしゃべっているのであると。

おそらくこれはどの言語にも通じるもので、各言語の中心地では発音や単語の使い方などが、まさに中心であるという余裕と権威から、柔軟に変化していくことが許されるのだと思う。

番組を見ながら、僕は漱石と鴎外のことを思い出した。どこかで読んだ比較なのだが、鴎外は島根という地方の出身で、正確な日本語を書くことに神経を尖らせていたが、江戸っ子の漱石はその点無頓着で、ちょっとした間違いをあまり気にはしていなかったのだという。

もし、満州や朝鮮半島、台湾などの植民地がそのままの状態であったとしたら、もしくは十分に日本語が根付いていたとしたら、今ごろ日本の周辺では、懐かしい日本語が話されていたのかもしれない。

最近、中国本土ではまた日本語ブームだという。日本語検定を受ける人が急増している。大連はとくに日本語熱が盛んだというが、どんな日本語を使うのだろうか聞いてみたい。「かたじけない」なんて返事で言われたらどうしようか。

|

« 中也をまた読んでみよう | トップページ | 「公」と「個」と »

コメント

あけましておめでとうございます~!
今年もこのBlog楽しみに読ませていただきます☆

私、かたじけない・・・って結構使っています・・・
書き文字の時ですが。
他にも色々と生きている時代が違うんじゃないかと指摘されることがあるんですが、すぐには思い出せないな。。。

ケベックのフランス語は古文に近いと聞きました。
聞き取るのが難しいんですが、日本語でも標準語と方言が全く違う言葉に聞こえるとの同じようなことなのですかね。

投稿: akiko | 2007年1月 4日 22:44

akikoさん、明けましておめでとう。今年もよろしく。

そうでした、akikoさんはフランス語が達者でしたね。羨ましい。

番組の中で言わんとしていたことは、標準語と方言ということよりは、もっと根本的な違いについてだったと思います。akikoさんが書いているように、ケベックのフランス語が古文のようだといったような。

言葉は生ものだから、どんどん新しい意味や言い回しや単語が生まれ、反対に滅びていくものもある。しかし、明らかに今は死語と化している言葉を、日本語を習っている人たちが教わっている可能性は十分にあるわけでしょう。僕らが習った英語の会話がそんなにナチュラルなものじゃなかったことからも、容易に想像はつきます。「習う側」っていうのは、なかなかその辺の感覚をつかみ取るのが難しいんだろうなと思います。習う場合、まずは基本に忠実にとなるわけで、それが植民地などで強制的にシステムとして言語を習わせるとなると、みんなが使っているから、それが当たり前になって定着して受け継がれるということになるんじゃないでしょうか。

投稿: マンデリン | 2007年1月 7日 02:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/23639/4784466

この記事へのトラックバック一覧です: イギリス英語のほうが新しい:

« 中也をまた読んでみよう | トップページ | 「公」と「個」と »