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2007年1月21日

敵対から劇的に共存へ

人っていうのは何もしゃべらなくても、顔をしばらく眺めていたら、その人がどういう人だかだいたいの想像がつく。昨日初めて会った人は、見た瞬間から「ああ、この人賢いだろうな」という表情をしていた。かもし出すものがあるのだ。案の定、その時のテーマに対して他の人より知識があり、突っ込んだ話になった。

さて、今とても興味のある生命とか細胞ということを、雑学と専門の中間あたりのレベルでしっかりと今年は勉強しようと思っていて、まずは図書館から借りてきたNHKスペシャル「生命―40億年はるかな旅」の最初の回のDVDを見た。いやあ、実にエキサイティングな内容だった。

各細胞のなかにある核(DNAが存在しているところ)とミトコンドリア(エネルギーを生産しているところ)は、もともとは敵対する原始のバクテリアだったそうだ。前者が、硫化水素を栄養源とする最も古いバクテリア(地球は最初の頃、硫黄や硫化水素だらけだった)。後者が、地球上に酸素が増加していくなかで、毒であった酸素に適合してそれを栄養源に変えていったバクテリア。

酸素は硫化水素の20倍のエネルギーをバクテリアにもたらしたのだという。力を得た後者のバクテリアは活発に活動し、前者をどんどん殺していくことになる。前者ももちろんその状況に対応して自分たちどうしが結合して対抗する。この両者の敵対状況が長く続き、最終的にはひとつの細胞におさまって共存へと劇的変化を遂げるのだ。

ああ、これが宇宙というものなのだ、と思う。

その細胞が発展していって僕ら人間も誕生しているわけで、ということは、僕らの生命の奥底に、人類が平和に共存できる可能性が秘められているのではないかと、アイデアリスティックなことを思わせる。カントが説いた、戦争を通して人類は最終的に平和へと至るのが歴史の必然であるということを、思わず信じたくなってしまう。

しかし、そのためには人類の歴史はまだまだ短すぎるのかもしれない。原始的な細胞が誕生して、敵対するバクテリアが核とミトコンドリアとなって共存するまでに、実に20億年という気の遠くなるような時間を要している。

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