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2006年1月22日

マスメディアのいい加減さ:ライブドア問題をとおして

ライブドア問題が、連日マスメディアを騒がせている。次々と出てくる錬金術なるものを理解するのにちょっと頭を使わなければならないので、報道をハシゴして見ることもあるが、僕のなかで浮き彫りになるのは、ライブドアの問題よりも、いかにマスメディアという権力がいい加減で傲慢で都合よく振舞っているかということである。

堀江氏は、メディアでもてはやされたり叩かれたりしている。彼自身(と広報の仕事を「お仕事」などと呼ぶ乙部氏)が利用してもきたんだろうが、メディア側は、たとえばニッポン放送のときは非難していたし、選挙以降は持ち上げてきた。

そこへきて、今回の事件。一気にまた奈落の底へつき落としている。まるで波に乗り遅れるなという感じだ。報道されているのが事実ならば、もちろん責められてしかるべきだ。しかし、たとえば自社株の度重なる分割はみんな知っていたわけだから、今までだって強い調子で非難できたはずだ。専門家が個人的に指摘しているのは聞いたことがあったが、一体どこのマスメディアが今おこなっているような批判をまともにしたことがあったか? こんなことでもなければ、時代の寵児のような扱いを続けていたのではないか? 武部幹事長を責めるのなら、自分たちも責めるべきだ。

今後、最悪の事態に陥ったとしても、堀江氏がやってきたこと、やろうとしていたことがすべて悪であったと位置づける気にはなれない。たとえば、放送と通信の融合はニッポン放送問題以来、ようやく加速した感がある。ライブドアが育成してきたパブリックジャーナリストも、面白い試みだと思う(ちなみに、ライブドアのブログは、このココログよりはるかに使い勝手がいい)。

パブリックジャーナリストをバカにする人たちもいるが、では果たして、既存のテレビや新聞、雑誌のジャーナリストたちが、それほど立派な記事を書いているだろうか? 「お前アホだろ?」と言いたくなる底の浅い記事がいかに多いことか。

村上龍氏が主宰するメルマガ・JMM(Japan Mail Media)で、彼が今日こんなことを書いていた。

90年代以降、日本社会のパラダイムは変化し続けています。社会のパラダイムが変化しているのに、マスメディアは変化を伝える文脈を整備できていませんし、整備しようという意志があるのかどうかも不明です。

マスメディアは大きな権力だ。民主主義社会にあっては、選挙権を持つ国民にもっとも影響を与えられるという意味で、もしかしたらいちばんの権力かもしれない。しかし、その権力が浅薄なものに動かされていることを、僕らは忘れてはならないし、政治権力を注視するのと同じぐらい冷静な目で、マスメディアとくにテレビと付き合わなければならない。

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